東雲(しののめ)です。
遅い梅雨があけて、どうにも茹だるような暑さが続く日々です。
熊本は高温多湿で不快指数が高い地域ですので、
気温が高い沖縄よりも暑苦しく感じます。
皆さん、夏にはいろんな思い出があると思います。
医師となった私にとって夏だろうがなんだろうが仕事内容に大差はないのですが、
夏休みの時期は『高校生医師体験』といって地域の高校生たちの病院見学・体験があって、それに対応してきました。
今回はそのことについて語りたいと思います。
駄文拙文悪しからず、何卒ご了承ください。
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私、クリニックの院長をやっていますが、同時に熊本県民医連の医学生委員長も兼任しております(なぜ、私がこのような立場に至ったか、後日語ろうと思います)。
委員自体はもう何年も前からやっていまして、次世代育成のための活動をしております。
具体的には熊本県民医連の奨学生(奨学金制度あります、詳しくは こちら で)や医学生を対象にした勉強会や九州・沖縄や全国規模の医学生活動の案内をしています。
それに医学部を目指す高校生たちを対象にした病院見学・体験もしてます。
高校生は普段は学校で忙しいですから、夏休みなど長期休暇中に接することになります。
『高校生医師体験』と銘打って、医師になりたい医学部志望の高校生を対象にしています。
熊本市内では熊本高校、済々黌高校、第二高校、学園大附属高校…など、他にも市外から八代高校などの生徒さんも参加されますよ。
プログラムの前半の病院見学は、通常なら立ち入れないバックヤードを見ることができます。
患者さんとして受診したときにはせいぜい待合や診察室くらいの行動範囲ですが、見学では手術室、透析室、検体検査室、さらに医局内部までご案内します。
タイミングが合えばその部署で働くスタッフからの説明もありますが、ただ見て回るだけでも、結構好評なんですね。
医師に限らず、多くのスタッフが病院を機能させている様を知ってほしいですね。
なお、コロナが流行していた間はWeb会議ツールを使ってやっている時期がありましたが、その際には院内を紹介するムービーを流していました。
そのムービーは私の自作(映像やナレーションも全部)ですが、今も使っているでしょうかね?
プログラムの後半は、医師との交流の時間で、その場に私が出ておりました。
医療器具の体験としては聴診器と血圧計、そして物品の都合が付けば手術器具も紹介しておりました。
聴診器は今やネット通販で千円程度で購入できますが、実際に使うとなると何がポイントかわかってないと使い物になりません。
私はかつて「聴診は耳ではなく脳で聞け」と教えられました。
これは耳で聞くだけではなく、聞いた音の意味を理解して診断に寄与せよ…という意味で、
聴診も診察の一部として、その方の体内で何が起こっているのか解剖学的・生理学的な知識を絡めて解釈することが大事なのです。
それも含めて紹介しておりますが、短い時間でちゃんと伝えられているか…どうなんでしょ?
あと、自分の心臓の音を聞いてもらうのですが、必ず一人は「?」みたいな表情をして、自分の心音がわからないって生徒さんが出るのはあるある話です。
血圧計の体験も、その場に参加した生徒さん同士で測定します。
ときに違う学年、違う高校の生徒さん同士の交流が起こるので、見ててほっこりしますね。
あと、血圧計のバルブを緩めすぎて一気にエアがブシュッと抜けてびっくりしちゃうのも、あるある話です。
手術器具もハサミだけでも何種類もあったり、一般的なピンセットやハサミとは意図的に違う設計をされていたりも知れて、これも好評でしたね。
あとは生徒さんから受けた質問に答えるコーナーで、合計1時間の医師交流の時間となります。
特に高校生からの質問は、1度に結構な量が寄せられます。
なので、私は質問回答集なるものを作りました。
A4用紙実に50枚超えの小冊子です。高校生医師体験のシーズンが来るたびに加筆修正したら、そんなボリュームになっちゃいました。
今後も活用されるものでしょう。引き続き頑張りたいと思います。
ちなみの、当ブログの前身であるくわみず病院研修医ブログにて『高校生からの質問に、できる限り真面目に回答してみた』というシリーズを勝手に連載(10回)していました。
高校生からの質問の中から特に私が気になったものを、できる限り真面目に回答しております。
興味のある方は こちら からご欄ください。
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今はもうクリニックの院長なので、今年度からのくわみず病院の企画には参加できなくなりました。
私の後釜として、くわみず病院には魅力的な医師が多くおりますので、彼らが頑張ってくれることでしょう!
今後も、医学生委員長としての活動も、このブログで発信できたらしたいと思っています。
それでは、また。
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